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まちてく富岡

最終更新:2007年03月15日 22:34

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「いつか見たことのある風景」


どこだっただろう? 
いつか見たことのある風景、そんな香りのする富岡の商店街を歩きながら、
幼かった頃を思い出しました。
人の歩みのようにゆったりと刻が流れ、
せせこましい現代社会にあって癒される雰囲気につつまれている商店街。


小さな時計屋さんの壁に懐かしい振り子の柱時計をみつけた。
まだ小学生の頃、椅子に登って時計のゼンマイを
巻いていた祖母の背中を想い出した。
忘れかけていたセピア色の「やさしさ」が彷彿してくる。
静けさの中で、コチコチと時を刻む時計の音が響く。


おもちゃ屋を覗くと、ブリキの玩具が置かれていた。
幼かった弟が、やっと母親からもらった大切な百円玉を握りしめて
近所の駄菓子屋に駆け入り、必死に選んだおもちゃ。
弟は、いつまでもその玩具を宝物としていた。


おもちゃ屋を通り過ぎると郵便局がある。
郵便局の前に「歓迎、いい街みつけ隊のみなさん。
ようこそ、シルクの里とみおかへ」の看板があった。
手作りの看板からお会いしたこともない郵便局員のやさしさが感じられた。


今日の社会は、スピードが何事にも優先され、経済合理性が追求される。
人々は時間に追われ、巨大な歯車に動かされている。
しかし、そんな社会にあって、富岡の町のように、
私たちが幼かった頃の、そうゆっくりと刻が流れ、
やさしさとか思いやりに溢れたムラがあれば、すさんだこころが癒される。


ともすれば忘れ去られてしまった日本の原型としての故郷を
感じることができる町。


帰りがてらお土産に「まゆこもり」をもとめた。
「風邪をひいて寝込むとおばあちゃんが葛湯をつくってくれたの。」と、
母も昔を懐かしがってくれた。


「まちてく2001」P30掲載


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