農業会議
最終更新:2006年12月15日 14:05農業会議主催農村女性セミナー講演要旨です。
・農村女性が、農産物加工品を製造、販売するにあたり、
事業を軌道に乗せるためにはどうしたらいいか、
経営全般のお話を簡単にして欲しいとセミナーの依頼がありました。
・セミナーの様子を冊子にまとめるため、
お話した内容をセミナー要旨としてA4、3枚にまとめました。
冊子ができましたら、そちらもご紹介したいと思っています。
・セミナーは、午後1時から3時まで、
お昼を食べた後の一番眠い時間に行われましたが、
アハハ、オホホの笑えるセミナーで、みなさまあきることなく、
時間を過ごしていただきました。
セミナーでは、コンサルティングの事例、繁盛店の事例、
女性起業家の事例・・・と事例を多くご紹介しながら、
経営のポイントをお話しましたが、短くまとめたため、事例のほとんどは省いてあります。
・はじまり~はじまり~
コンサルティングオフィス・ウィルの茂木です。
簡単に自己紹介をさせていただきます。
私は、群馬県新田郡尾島町という小さな町に生まれました。
高校も、大学も県内です。
両親は、農業を営んでいます。
本日は、「農村女性のセミナー」ということで、
私の母に講演するみたいだなぁって楽しみにしておりました。
私は、県内初の女性中小企業診断士です。
中小企業診断士とは、経済産業省認定の国家資格で、
国が認めた唯一の経営コンサルタントの資格です。
私は、25歳のときに資格を取得し、27歳のとき、
平成10年に小さい小さいコンサルティング会社を始めました。
どんな仕事をしているかといいますと、
中小企業の事業計画策定、実行のお手伝い、営業戦略策定、
人材育成などの支援を行っています。
現在支援している業種は、製造業、小売業、サービス業など
数十社になります。
その他、経営者を対象としたセミナー、創業セミナーなどの講師をしたり、
経営に関連した原稿の執筆をしています。
そこで、本日は、中小企業支援の現場のお話や原稿に執筆した繁盛店や
女性起業家の事例をご紹介したいと思っています。
そして、皆様に農産物の販売などの事業に活用できる成功のポイントを
ひとつでもお持ち帰りいただけたらと思っています。
ポイント1・事業計画はありますか?
事業計画には、中期事業計画、年間事業計画などがあります。
みなさんは、事業計画を作成したことはありますか?
年間事業計画をもとに、売れる月、売れない月といった季節変動指数を考慮して、
月ごとの売上目標をたてます。
経費を計算して、1年後の目標利益をだします。
このとき、借入金の返済がある場合など、
返済ができるかどうかなど、資金繰りも検討します。
事業計画を策定したら、大切に金庫にしまっておいてはいけません。
これを経営者は、頭のなかにいれて、
どうやったら目標を達成できるかを考え、日々行動します。
そして、月ごとに幹部社員会議を開き、先月の反省、
見直し、改善を行います。
今月は、何に取り組むのか、何を改善するのか、
具体的な課題をきめ、全社員で取り組むのです。
これは、P-D-C-Aサイクルといいます。
Pは、プラン、計画です。
Dは、ドゥ、実行です。
Cは、チェック、反省、Aは、アクション、改善・見直しです。
この管理サイクルを徹底し、小さい改善をくりかえし、
経営品質を向上させていくことが大切です。
ポイント2・損益分岐点、目標利益を達成する売上高を計算していますか?
損益分岐点とは、利益も損失も出ない、収支トントンの売上をいいます。
みなさまは、損益分岐点を把握していらっしゃいますか?
そして、みなさまの目標利益を達成する売上高の計算をしていますか?
簡単に目標利益を達成する売上高の計算方法をご説明します。
まず、費用を変動費と固定費にわけます。
変動費とは、売上に比例する費用です。
たとえば、みなさまがおやきやおまんじゅうを製造して販売しているとしたら、
材料費などが変動費になります。
固定費は、お店の家賃や人件費、水道光熱費など固定的にかかる費用です。
図のように売上に対して60%変動費、固定費30かかる事例があります。
この事例の場合、利益を10から2倍の20にするには、
いくら売り上げたらいいでしょうか?
考え方を学ぶため、売上増加に伴う、変動比率の増加、
固定費の増加はないものと考えます。
実際の経営では、具体的に変動比率がどのくらい増加する、
固定費の増加はどのくらいなどと計算してそれを検討します。
売 上 100 売 上 ?
-変動費 60 -変動費
限界利益40 限界利益
-固定費 30 -固定費
利 益 10 利 益 20
※単位は、円でも千円でも百万円でも億円でも
<計算式>
売上の40%-固定費30=利益20
売上の40%=固定費30+利益20
売上=50÷40%
売上=50÷0.4
売上=125
この場合、売上の60%が変動費ですから、
限界利益は、売上の40%になります。
売上の40%から固定費30を引いても、
利益20が残るには、いくら売り上げたらいいですか?
目標利益20を達成する売上は、125になります。
このポイントは、利益を2倍にする売上は、
売上を2倍にしなければならないということではないことです。
それぞれの企業によって、変動比率も固定費もかわってきますので、
この考え方をもとに、みなさまそれぞれの目標利益を達成する売上を計算し、
目標売上高をだしてみてはいかがでしょうか?
ポイント3・事業計画に基づく営業戦略を策定していますか?
事業計画を策定したとしても、それを実行する営業戦略がなければ、
どんな立派な事業計画も「絵に描いた餅」になってしまいます。
そこで、営業戦略をどのようにたてたらいいかをお話したいと思います。
私の支援先には、建設業もあれば、和菓子製造販売、
福祉関連の事業や製造業などさまざまな業種があります。
どんな業種でもあっても、顧客に対してどのようにアプローチするかを考えます。
具体的には、顧客を新規顧客、既存顧客、固定客に分けます。
そして、新規顧客開拓はどのようにしたらいいか、
新規顧客をどのように既存顧客にするか、既存顧客をどのように固定客にするか、
そして、固定客の離反を防止するためには何をすべきかを考えます。
大阪に営業マン一人当たり売上高が
業界平均の10倍近い中古車販売店があります。
こちらでは、「見るだけワッペン」
(これをつけていたら営業マンはお客様に寄らない)、
毎月1回のDM、車検基本料金無料などです。
そして、お客様に信頼されるための価格、品質、店舗、
販売員となるためのさまざまな工夫をしています。
繁盛店の事例をみるとその多くは、
「お金をかけず手間をかける」ことで固定客を増やしています。
みなさまの事業のなかでも、「お金をかけず手間をかける」
顧客へのアプローチがあるのではないでしょうか?
ポイント4・経営環境分析をしていますか?
事業計画を策定する際、新商品開発、新規事業進出の取り組むときなど、
企業では、経営環境の分析を行っています。
環境分析の簡単なマトリックス「SWOT分析」をご紹介します。
「SWOT分析」では、経営環境を企業の内部環境と外部環境に分けます。
そして、内部環境の「強み」と「弱み」、外部環境の「機会」と「脅威」を分析します。
中小企業の支援の現場で、
経営者や従業員にこの「SWOT分析」をやっていただきます。
中小企業では、「弱み」や「脅威」がたくさん挙げられます。
列挙された「弱み」を「時間をかけて改善するもの」
「お金をかけなければ改善できないもの」
「今すぐ改善できること」などにわけて、
今後どのように取り組んでいくかを考えます。
みなさまも、この「SWOT分析」の視点を活用し、
現在取り組んでいらっしゃる事業について、外部環境の「機会」と「脅威」、
内部環境の「強み」と「弱み」を分析してみてください。
現状を把握し、今後、どのように「強み」や「機会」を活かしていくか、
もう一度ゆっくりと考える時間をもってみてはいかがでしょうか?
図 SWOT分析
外部環境 機会 脅威
内部環境 強み 弱み
ポイント5・飛躍する女性起業家の事例
専門誌「企業診断」にて「飛躍する女性起業家群像」
という連載を担当しています。
これまでに30数名の素敵な女性起業家にお会いしました。
そのなかで、いくつか勇気の出る事例をご紹介します。
みなさまのお手元に紹介記事を配布させていただきましたが、
ポイントを押さえてご紹介しますので、
後でゆっくり記事をご覧になっていただけたらと思います。
私が講師を担当しました女性起業家セミナーに出席した50代の女性がいました。
その方は、金融機関に勤めていましたが、
その後、産業廃棄物の収集運搬の会社をたちあげました。
創業までの2年間、これまでに経験したことのない勉強に取り組んだということです。
取引先ゼロからのスタートでしたが、1日10件とノルマを決めて、
飛び込み営業をし、企業へ提案をしました。
少しずつ取引先も増え、現在では、取引先100社以上、
年商数億円を達成しました。
この方のお話は、「もう年だから」「経験がないから」と
あきらめてはいけないと励ましてくださっているような気がします。
英会話という成熟市場で、新しいビジネスモデルを考え、
2年で約3億円の売上を達成した女性もいます。
彼女は、理想の英会話教室をさがしていて、みつからないので、
自分でつくってしまおうと起業しました。
教室ももたず、ホームページ以外で営業もしない。
固定費をかけないことで、マンツーマンのレッスンでも
低価格な料金を実現しました。
現在は、生徒数6000人になりました。
この方のお話は、成熟市場であっても、まだまだ顧客ニーズを満たすことで、
事業を成長させることができると伝えています。
その他、エジプトビールの輸入、レストランの多店舗展開など
女性起業家の事例をご紹介しました。
最後に
今回、多くの事例をご紹介しながら、お話を進めてきました。
講演要旨では、全てをご紹介することができないことをご了承ください。
色々な事例のなかから、ひとつでも、
みなさまの事業に応用できるものがあれば、
私も嬉しく思います。みなさまの事業の成功をお祈りしています。
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